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海外に販売するということ

昨今「越境EC」ということばを頻繁に見聞きするようになってきていると思いませんか?

越境ECとは


越境ECとは「海外へのネット販売」のことを指します。海外販売というとeBayが馴染みがあるでしょうか。
日本にいながらにして海外のネットショップやモールから商品を購入したことのある方も多いでしょう。
私もかつてJaguar XJSに乗っていた頃ボンネットマスコットやキーホルダーといった小物を購入していました。

越境ECが注目される訳


単純にマーケットの大きさが魅力的なのだと思います。
特にアジアにおいては購買意識の変化とインターネット普及率の急増が着目されます。
商品の品質、とりわけ「口に入れる商品」「肌に触れる商品」の品質に過敏になってきているのが中国だと言われています。食品や医薬品、服飾が該当します。
中国においてのインターネット普及率は50%程度と言われており、中国経済に陰りが見え始めたと言ってもインターネットユーザーはまだまだ増える見込があるということでしょうか。
このような事情はそのままアジア圏の各国にも該当すると考えられます。

越境ECの成功事例


キリン堂
ミキハウストレード

越境ECに期待する業界


既に述べたとおり、食品や医薬品、服飾を扱う業界が越境ECに期待しているように見受けられます。
あんどぷらすの所在地、静岡では「お茶」を海外に販売したいと考えるお茶屋さんが多いです。
誤解を恐れず言えば、「国内市場が飽和している業界」も海外販売に期待を寄せている方が多いように感じられます。

越境ECはおいしいの?


販売者の体制次第だと考えます。
海外販売の障壁はやはりそれなりに存在します。
ここまで使っていた「海外販売」という表現自体も日本の特徴です。越境するには海を超えなければならないですから。
ヨーロッパにおいては越境というと隣国ですしね。

「海を超える」ということは大きな障壁のひとつです。
商品配送において大幅な制約がかかってきます。アパレル商材のような「軽い」ものであればそれほどでもありませんが、「家具」や「大物家電」などは国内の配送料金とは比較にならない料金が必要となります。
国内のように「冷凍」「冷蔵」便がまだまだ手薄であったり、配送日数がかかったり、通販そのものに対する障壁となります。

「言葉の壁」ももちろん障壁です。
Webサイトの多言語化はまだしも、「英語や中国語の問い合わせメールがきたらどうしよう」という不安の声を多く聞きます。

「支払い方法」も日本国内のそれとは異なる事情があります。
銀行振込や代引きコンビニ払いはほぼ利用できませんので「クレジットカード支払い」一択と思われます。
クレジットカード決済の利用には利用開始の手続きも必要ですし、決済手数料として3%前後が徴収される上に、現金化までのサイクルがそれなりに長いケースもあります。

「越境ECがおいしい」か否かは、「障壁」(他にもあります)をクリアした後の話。

越境ECのはじめかた


越境ECには「日本から売るタイプ」と「現地で売るタイプ」の二種あります。
「日本から売るタイプ」には「ショッピングモールに出店する」ものと「自社ECサイトを作る」ものがあり、「現地で売るタイプ」には例えば中国の「天猫(T-mall)」と「京東(ジンドン)」に出店、出品するものと、現地にECサイトを構築するものがあります。
現地から販売するタイプはより高い障壁がありますので、越境ECというと私的には「日本から売る」ものと定義しておきます。
日本から売る「モールタイプ」のものは楽天市場の海外販売モデルでしょうか。
この手のモール出店の仕方はサービス提供会社で確認してください。

自社サイトによる越境EC


日本から売るタイプとして情報が少ないのは「自社ECサイト」によるものでしょう。

越境ECとして必要な機能は最低限下記のようなものが必要です。

  • 多言語対応
  • クレジットカード支払い
  • EMSによる配送

実は海外への販売を行う仕組みとしてはこれだけで大丈夫です。

これらの機能を実現するためのショップ機能をイチから作るのが一番良いことは言うまでもありませんが、コストやスピードの観点からはオープンソースや商用パッケージを利用しての構築がおすすめです。
例えば下記のようなパッケージが候補です。

  • CS-Cart(商用ライセンス サーバーとのセット提供あり)
  • Magento(オープンソース)
  • PrestaShop(オープンソース)
  • OpenCart(オープンソース)
  • EC-Cube3(オープンソース)
  • LiveCommerce(商用ライセンスorASP)
  • ウルトコ(商用ライセンス サーバーとのセット提供のみ)

自社にて構築するのなら自社のエンジニアの好みで選べば良いと思います。
そうでない場合は外部に開発を依頼しなければいけませんので、依頼先が得意なパッケージを採用するのが前提だと思います。

海外販売しかしないのか、国内販売との併用なのか、サイト構築は誰が行うのか、運用は誰が行うのか、考慮することは多岐に渡りクライアントの状況によってだいぶ異なるものになると思います。

日本固有の「ふりがな」はどうするのか。
決済通貨はどうするのか。
英語での問い合わせには誰が対応する?
etc

まとめ


越境ECとはこれまでは「企業体力がある」「リソースが割ける」企業の採る手段だったのだと思います。
先に上げた障壁をクリアするには社内に人員を確保することからはじめなければいけないためです。

昨今話題の越境ECとは誰もが簡単に成果をあげられるようなお手軽なものではありません。
売るためのシステム作りはもとより、本稿では触れなかった海外での宣伝広告、海外で売れる商品のリサーチ、ターゲットの想定(ペルソナ)など事前準備も相応に必要となります。
一般的には思いつきでできるものではないということですね。

話題だからとか、なんとなくで取り掛かると痛い目を見ると思います。
リサーチと仮説をたてるところまではしっかりまじめに考えておいていただきたいです。

その上で海外に販売する自社ECサイトを構築したくなったら「ウルトコ」を思い出してくださいw

※海外販売をさしたるリスクを足らずに試すことができるサービスも存在します。(別の機会に記事にします)

投稿者プロフィール

mmochi
だいひょうとりしまりやく。
へんたい。

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