昨今「越境EC」ということばを頻繁に見聞きするようになってきていると思いませんか?
「海を超える」ということは大きな障壁のひとつです。
商品配送において大幅な制約がかかってきます。アパレル商材のような「軽い」ものであればそれほどでもありませんが、「家具」や「大物家電」などは国内の配送料金とは比較にならない料金が必要となります。
国内のように「冷凍」「冷蔵」便がまだまだ手薄であったり、配送日数がかかったり、通販そのものに対する障壁となります。
「言葉の壁」ももちろん障壁です。
Webサイトの多言語化はまだしも、「英語や中国語の問い合わせメールがきたらどうしよう」という不安の声を多く聞きます。
「支払い方法」も日本国内のそれとは異なる事情があります。
銀行振込や代引きコンビニ払いはほぼ利用できませんので「クレジットカード支払い」一択と思われます。
クレジットカード決済の利用には利用開始の手続きも必要ですし、決済手数料として3%前後が徴収される上に、現金化までのサイクルがそれなりに長いケースもあります。
「越境ECがおいしい」か否かは、「障壁」(他にもあります)をクリアした後の話。
越境ECとして必要な機能は最低限下記のようなものが必要です。
実は海外への販売を行う仕組みとしてはこれだけで大丈夫です。
これらの機能を実現するためのショップ機能をイチから作るのが一番良いことは言うまでもありませんが、コストやスピードの観点からはオープンソースや商用パッケージを利用しての構築がおすすめです。
例えば下記のようなパッケージが候補です。
自社にて構築するのなら自社のエンジニアの好みで選べば良いと思います。
そうでない場合は外部に開発を依頼しなければいけませんので、依頼先が得意なパッケージを採用するのが前提だと思います。
海外販売しかしないのか、国内販売との併用なのか、サイト構築は誰が行うのか、運用は誰が行うのか、考慮することは多岐に渡りクライアントの状況によってだいぶ異なるものになると思います。
日本固有の「ふりがな」はどうするのか。
決済通貨はどうするのか。
英語での問い合わせには誰が対応する?
etc
昨今話題の越境ECとは誰もが簡単に成果をあげられるようなお手軽なものではありません。
売るためのシステム作りはもとより、本稿では触れなかった海外での宣伝広告、海外で売れる商品のリサーチ、ターゲットの想定(ペルソナ)など事前準備も相応に必要となります。
一般的には思いつきでできるものではないということですね。
話題だからとか、なんとなくで取り掛かると痛い目を見ると思います。
リサーチと仮説をたてるところまではしっかりまじめに考えておいていただきたいです。
その上で海外に販売する自社ECサイトを構築したくなったら「ウルトコ」を思い出してくださいw
※海外販売をさしたるリスクを足らずに試すことができるサービスも存在します。(別の機会に記事にします)