最近、ChatGPTと話しすぎて、ChatGPTの文章までmmochiっぽくなってきた気がするmmochiです。
前回の記事「AIに引用されることが目的ではない ─ 情報資産とブランド価値を守るという考え方」では、AI時代に重要なのは「AIに引用されること」そのものではなく、企業が持つ情報を整理し、AIや検索エンジンに誤解されにくい状態を作ることだと思いますよっていう記事を書きました。
構造化データとか、LLMOといった技術的な取り組みも、その目的は検索順位を上げることではないのですよね。
企業が持つ情報資産を整理し、必要な相手へ正しく伝わる状態を作ることが目的なんです。
では、その情報資産ってどこにあるんでしょうかね。
- 会社概要
- サービス情報
- 商品情報
当然ですが、こういったものは企業にとってとても重要な情報ですね。
でも、本当に価値を持つ情報は、それだけじゃないと思うのです。
- 日々の事業活動の中で生まれる経験や知識
- 実際に試したこと
- 失敗したこと
- 改善したこと
- 判断したこと
こういったものはその企業しか持っていない情報なんですね。
情報の価値は、どこにあるかではなく、どこから生まれたか
SNSで、「AI検索の時代には、自社サイトだけを充実させても意味がない」という意見を見かけることがあります。
最近わりとよく見る。
AIはWeb全体に存在する情報を参照し、回答を生成します。
- 企業サイト
- SNS
- ニュース記事
- 動画
- 第三者によるレビュー
確かに、企業がまわりからどのように認識されているかということは、これまで以上に重要になるでしょう。
でも、AIがWeb全体を見ることと、AIにとって自社が持つ情報の価値が下がることっていうのは、本当に同じなんでしょうかね。
ぼくは、むしろ逆だと思うんですよね。
AIが多くの情報を横断的に参照する時代だからこそ、「その情報がどこから生まれたのか」という背景の価値は高まるはずです。
一次情報とは、意見ではなく経験から生まれた情報
最近、「一次情報」という言葉を目にする機会が増えている気がします。
ただ、この言葉は少し誤解されやすいようにも感じています。
ここでいう一次情報とは、単に自分の意見や感想を書くことではないです。
もちろん、個人の考えや意見にも価値はありますよ。
でも、企業が情報資産として発信すべきものは、
- 実際に利用した経験
- 自社で検証した結果
- 独自に取得したデータ
- 顧客との取り組みから得た知見
- 開発や改善の過程
- 失敗から得られた学び
といった、その場所でしか生まれない情報だと思うんですよね。
例えば、あるサービスについて説明するとします。
機能一覧や一般的なメリットであれば、多くの企業が発信できます。
しかし、
- 「なぜその仕様にしたのか」
- 「導入時にどんな課題があったのか」
- 「どのような改善を積み重ねたのか」
という情報は、その経験を持つ企業にしか語れません。
情報の価値は、内容だけではなく、その情報が生まれた背景にもあります。
「誰が」とか、「なぜ」といったことに価値があるんですね。
ロングテールはSEOで消えたのではなく、形を変えた
ここで、ロングテールという考え方について考えてみます。
ロングテールとは、少数の大きな需要だけではなく、小さくても具体的な需要を積み重ねる考え方です。
SEOに取り組んできた方であれば聞いたことがある言葉だと思います。
一時期は「ロングテールSEO」という形で、複合キーワードを狙ったコンテンツ制作が多く行われました。
しかし、SEOが成熟するにつれて、ロングテールという言葉自体は以前ほど頻繁には語られなくなりました。
- 検索意図
- トピック設計
- E-E-A-T
- 専門性や信頼性
こうした、より大きな概念の中で扱われるようになったためですね。
しかし、ロングテールという考え方そのものが不要になったわけではありません。
ユーザーの具体的な課題に答える情報を積み重ねるという本質は、今も変わっていないんです。
AI時代にロングテールの価値が高まる理由
むしろ、AI検索の時代になったことで、この考え方は改めて重要になるのではないかと考えています。
AIは、より具体的で複雑な質問に答えるようになりました。
例えば、
「ECサイトのセキュリティ対策」
というテーマ。
これは多くの企業やメディアが発信できます。
これが、
「CS-Cartでリンク決済を利用している環境で、決済完了後のコールバックが失敗する原因と対策」
というテーマになると、話は変わります。
検索数だけを見れば、小さなテーマですが、その問題に直面している人にとっては非常に価値がある情報なんですよね。
そして、その情報を持っているのは、実際にその問題を経験した人だけです。
AI時代に価値を持つのは、大量の一般論ではなく、誰かの具体的な課題を解決できる、小さくても深い情報です。
一般論に経験を重ねることで、情報は資産になる
もちろん、一般的な情報が不要という話ではないですよ。
基礎的な情報にも当然価値があります。
ただし、これから重要になるのは、一般論だけではなく、そこに重ねる「自社の経験」です。
例えば、
「Cloudflareとは何か」
という説明は、多くの情報、サイト、ページがあります。
しかし、
「ECサイト運営会社がCloudflareを導入するとき、WAFだけではなくBot対策や決済連携まで考える理由」
であれば、ほとんどない気がしますね。
同じシチュエーションで困った人には、この企業が経験してきたことに大きな価値があります。
同じテーマでも、経験が加わることで、その情報はその企業ならではのものになるんですね。
企業サイトは情報資産を蓄積する場所になる
これからの企業サイトは、単なる会社案内ではなく、企業が持つ情報資産を蓄積する場所になると考えています。
蓄積すべきなのは、完成した答えだけではありません。
- 現場で起きた事実
- 判断の背景
- 改善までの過程
- 顧客から寄せられた質問
- 試行錯誤の記録
こうした試行錯誤を含めた積み重ねが、その企業にしか持てない知識になります。
具体的には、
- 導入事例
- 失敗事例
- 検証結果
- 判断基準
- 運用ノウハウ
- なぜそのFAQが生まれたのかという背景
- 改善の過程
といった情報ですね。
SNSや動画、外部メディアなど、情報を届ける場所は増えているのですが、情報資産そのもののありかは企業自身ですからね。
情報資産は、経験を整理することで生まれる
AI時代に価値を持つ企業とは、単にコンテンツを量産する企業ではありません。
自社の中にある経験や知識を見つけ、それを誰かの課題解決につながる情報へ変換できる企業です。
前回の記事では、企業が持つ情報資産を整理し、守り、正しく伝えることについて書きました。
しかし、守るべき情報資産は最初から存在するものではないですし、第三者が勝手に作ってくれるものでもないですね。
日々の事業活動の中で生まれる経験や知識を、企業自身が価値ある情報として残していくことではじめて形成されるんです。
もちろん、企業自身が発信した情報だけですべてが決まるわけではありません。
実際にそのサービスを利用した人、企業と仕事をした人、発信された情報を読んだ人。
そうした人たちの経験や評価が加わることで、企業についての情報はさらに広がっていくのですよね。
ただ、第三者から語られる情報も、何もないところから生まれるわけではないです。
- 誰かが実際にサービスを利用した。
- 誰かがその企業と仕事をした。
- 誰かがその情報を見て、何かを経験した。
こういう出来事があって、はじめて第三者の言及や評価が生まれているはずなのです。
AIがWeb全体から情報を参照して回答する時代だからこそ、「Web全体でどう語られているか」という結果だけを見るのではなく、「その情報はどこから生まれたのか」という起点まで考えてみる必要があるのではないでしょうかね。
- 経験する
- 検証する
- 整理する
- 発信する
- 誰かに届く
- 利用される
- 評価される
- 第三者に語られる
- AIにも参照される
このように情報が流通していくことで、企業の情報資産は育っていきます。
ロングテールという考え方は、検索順位を取るためだけのものではありません。
企業が持つ「小さくても深い経験」を、必要としている誰かへ届けるための考え方です。
AI時代に必要なのは、情報量の多さではなく、自社にしかない経験を「小さくても深い情報」として残し、必要としている人へ届けていくことです。
それが、これからの企業にとって大切な情報資産になるのだと思います。
そして、その情報資産を正しく整理し、守り、届けていくことが、AI時代におけるブランドづくりにつながっていくのだと思いますね。